相続について

【相続とは】

相続とは、わかりやすく簡単にいうと、人が亡くなったときに、その人がもっていた不動産や預貯金などを、身内の人が引き継ぐ制度のことです。

亡くなって相続される人のことを「被相続人」、相続する人のことを「相続人」と呼びます。

被相続人が所有していた不動産、預貯金などの財産は「相続財産」や「遺産」などと呼びます。

配偶者や子ども、兄弟姉妹などの家族が被相続人の財産を引き継ぐことができます。但し被相続人が、生前に遺言書を作成していた場合は、家族以外にも財産を引き継がせることができます。

相続は、被相続人が亡くなったときから始まり、被相続人が亡くなったことを相続人が知らなくても相続人としての地位は開始されます。

相続が開始されると、相続人は、被相続人の一切の財産と債務を承継しますので、財産(プラスの財産)のみならず、債務など(マイナスの財産)も引き継ぐこととなります。

プラスの財産よりもマイナスの財産の方が大きい場合には相続放棄をすることも可能ですが、プラスの財産も放棄することとなりますのでよく考えてから判断する必要があります。

なお、相続放棄を行う際は、家庭裁判所での手続きが必要となります。

 

福岡県内での和2年10月1日現在の住民基本台帳等に基づく65歳以上の高齢者は、

1,408,972人(前年同日現在1,393,256人)に達し、総人口の27.5%(前年同日現在27.2%)を占めている。

 前年に比べ、15,716人増加し、比率は0.3ポイント上昇している。

高齢化は年々進んでいる為、相続が発生してから対応するのではなく、前もって予備知識をつけておく必要があります。

【相続放棄・限定承認・単純承認】

相続放棄限定承認を行う場合には、相続開始を知った日から3か月以内に家庭裁判所で手続きを行う必要があります。

なお、単純承認は、特別な手続きは不要です。

◆相続放棄とは

相続人が被相続人のプラスの財産やマイナスの財産を放棄することです。相続放棄をすると、他の相続人の相続分は、放棄者が初めからいなかったものとされる。

相続放棄
◆限定承認とは

被相続人(亡くなった人)の債務がどの程度あるか不明であり、財産が残る可能性もある場合等に、相続人が相続によって得たプラスの財産の限度で、債務(被相続人のマイナスの財産)の負担を引き継ぐことです。

◆単純承認とは

相続人が被相続人のプラスの財産(不動産や預貯金など)やマイナスの財産(債務)の権利義務をすべて引き継ぐことです。

相続放棄や限定承認を行わなかった場合には、単純承認をしたものとみなされます。

【だれが相続人となるのか?】

誰が相続人となるのかは、民法に定められていて、この定めに従って相続人となる人のことを法定相続人といい、配偶者と血族相続人に分けられます。

配偶者は相続順位の枠外の存在であり、被相続人が亡くなった時に配偶者が存在していれば必ず相続人となります。

なお、 内縁の妻(夫)は、配偶者ではないので相続人になれません。また、離婚した元妻(夫)も、 相続人にはなれません。そして、血族には、生物学上の血縁関係がある自然血族のほかに、 養親子のように法律上の血族である法定血族もあります。

なお、配偶者の血族や、血族の配偶者のように、婚姻関係によって成り立つ親族は、血族ではありません。

 

配偶者は法廷相続人となる

配偶者は必ず法廷相続人となります。

※法律婚であること

血族相続人には優先順位があり、先順位の血族相続人が存在しない場合や相続放棄をした場合でなければ、後順位の血族相続人には相続権が回ってくることはありません。

・第一順位の相続人は、「子」です。

・第二順位の相続人は、「直系尊属」です。直系尊属とは、父母や祖父母のように直通する系統の親族で前の世代の人のことです。

・第三順位の相続人は、兄弟姉妹です。

 

同一順位の相続人全員が相続放棄した場合は、順位は次の相続人に権利が移ります。例えば、法定相続人が配偶者と子の場合に、子が相続放棄した場合は、直系尊属に相続権が移リます。直系尊属がいない場合や、直系尊属の全員が相続放棄した場合は、兄弟姉妹に相続権が移ります。なお、配偶者は前述のとおり相続順位の枠外なので、配偶者が相続放棄をしても、他の誰かに相続権が移るということはありません。

相続

【相続人が複数いるとき相続財産をどうやってわけるのか?】

遺産の分割 方法は、相続人で協議して決めます。全員が合意すれば、どのような割合で分割しても構いませんが、 基本的には、法定相続分に応じて分割することになります。 法定相続分とは、法律で定められた相続財産の受け取り分(割合い)のことです。

法定相続人と相続財産が確定したら、遺産分割協議に入ります。「遺産分割協議書」は、特にルールが決まっているわけではないので相続人全員が同意をして、相続人全員の署名捺印がもらえるのであれば、どういった方法でなされても構わないとされています。必ずしも直接会って決める必要はないのです。

法定相続分は、配偶者がいる場合といない場合とによって、異なります。

配偶者がいない場合は、相続人の数で均等割りをします。

例えば、相続人が子2人の場合の相続分は2分の1ずつ、子3人の場合は3分の1ずつです。

配偶者がいる場合は、配偶者の相続分は、相続人の組み合わせによって異なります。

例えば、配偶者と子2人の場合、配偶者が2分の1となり、子2人が残りの2分の1の相続分を均等割りするので、4分の1ずつとなります。

配偶者と子供4人の場合

配偶者と子供4人の場合

子4人と配偶者の場合の配偶者の相続分は2分の1、子の相続分は残りの4分の1となります。

配偶者と両親の場合

相続:配偶者と両親の場合

直径尊属(父母など)と配偶者の場合は3分の2です。

配偶者と兄弟姉妹の場合

配偶者と兄弟姉妹の場合

兄弟姉妹と配偶者の場合は4分の3となります。

【相続のうちの金融資産の8割は不動産】

預貯金など現金化されているものであれば、相続人間での配分が決まれば比較的スムーズに分割ができますが、不動産の土地や建物などの場合、事情は異なり少々複雑になります。

不動産における遺産分割方法としては、現物分割(不動産をそのまま一人が取得する方法)、代償分割(不動産は一人が相続するが、残りの相続人に対して相当の金額を支払う方法)、共有(不動産を相続人で共有する方法)、換価分割(不動産を売却し、売却代金を相続人数で分割する方法)の4つの方法が一般的です。

【不動産を相続して放置していると・・・】

不動産を相続して相続登記をしないでいると、以下のようなさらに面倒な事態を引き起こす火種になりかねないので、相続登記は早いうちにしていた方が良いかもしれません。登記をしていないと大規模な修繕や売却といった手続きを行うことができません。そのまま住み続けるのであれば問題ないと考えても、建物は月日が経つにつれ老朽化するものです。その時に、大規模な修繕は必ず必要となるときが来ます。登記を先延ばしにして自分の代で相続登記しないでいると、次世代の相続が発生する度に持ち分が細分化されていき、手続きがどんどん面倒になっていきます。持ち分が細分化されればされるほど、全員から同意をもらうのが困難になるばかりか、下手をすれば、どこの誰だかわからない相手と共有名義になっていることもあります。この先も放置していると遡って相続人を確定する必要があるため、自分の子供や孫に迷惑をかけかねません。司法書士などに頼むとしても早い時期にお願いするときよりも費用が余計にかかってしまいます。相続登記は早い時期にした方が良いことは目に見えています。

 

「空家等対策の推進に関する特別措置法」(通称:空家等対策特別措置法)が平成26年11月に成立しました。

 

特定空き家に指定されてしまうと、「住宅用地の特例措置」の対象から除外され、固定資産税の優遇措置が適用されなくなる関係から、固定資産税額はおおよそ更地状態と同等の最大6倍となる場合がございます。さらに自治体からの「命令」に応じずに違反となった場合、最大50万円以下の過料が科せられてしまいます。

 

糸島市内には約3,550戸の空き家があります。(H25年度 住宅土地統計調査)

賃貸用・売却用住宅 1,830戸

その他(危険家屋含む)1,720戸

 

自治体も力を入れて空き家を調査していることから、早急な対応が必要となります。

【相続した物件にも固定資産税がかかる】

土地や建物を相続して、ただ持っているだけではプラスの収益を生み出すことはありません。それどころか、何もせず放置していると無駄な税金(固定資産税)を永遠に支払い続けることになってしまいます。

 

ここから先は相続した土地、 建物などの有効活用についてご説明いたします。

【土地の場合の活用方法】

土地の活用方法は、建物など(アパート、マンション、 戸建)の建築を行うことによって家賃収入を得る方法がありますが、建物を建築する際、まとまった費用が必要となりますので預貯金などある人は良いのですが、まとまったお金がなければ、銀行などから借り入れをして、借金をすることになります。

立地が良く駐車場としての需要がある土地であれば工事費用も抑えられ収入を得ることができます。

【戸建ての場合の活用方法】

戸建の活用方法は、土地(更地)の場合と違って建物がありますので、建築費用がかからずそのままリフォームして賃貸に貸すことができますので新築で建築するよりも金額を抑えて家賃収入を得ることができます。しかし、目に見えにくい床下や主要な柱、屋根など大規模な補修が必要な場合、費用が多少かかる場合があります。その際は、他にも有効活用する方法がありますのでお気軽にお問い合わせください。

相続人が引き継いで住むのであれば家の劣化の進みも比較的抑えられますが、空き家のままにしておくと劣化の進行も早く、気づいたときには解体をしなくてはいけないくらい傷んでいる場合がありますので注意が必要です。

放置をしていると収益を生まないのみならず、余計に費用がかかる場合があるので不動産屋さんにご相談されることをお勧めいたします。

【マンションの活用方法】

マンションの活用方法は、戸建と違い躯体がしっかりしているため大規模な工事も少なく、表層リフォームで費用もあまりかけずに家賃収入を得やすいです。戸建の場合と違って立地も良い場合が多く賃貸しやすいのも一つのメリットです。

【相続した不動産を有効に活用するには】

相続した不動産を有効に活用するのに一般的なのは、アパート経営、マンション経営、賃貸併用住宅、戸建賃貸、駐車場経営など、相続した土地建物の特徴を理解し、最適に活用することで何もしなくてもお金が入ってくる安定的なプラスの資産となります。

 

相続した不動産を収益物件として家賃収入を得ていくのか、売却してまとまったお金を受け取るのかは、その土地建物の場所によって判断した方がよいと思います。

 

どちらを選ぶかは総合的に判断して将来的に家賃収入を得た方が得か、売却してまとまった金額を受け取った方が得か、お問い合わせをいただければ親身になってアドバイスいたします。